真社会性の発見
真社会性の発見
社会性動物の定義はそれまでは漠然としていた。しかし働きバチのような生殖をしない階級の重要性が認められた事で、社会性昆虫に見られるような繁殖をしない階級の存在するものを真社会性生物というようになった。真社会性を生む仕組みの解明は、それ以外の真社会性動物発見への方向性を示し、アブラムシや哺乳類ではハダカデバネズミ、甲殻類ではテッポウエビから真社会性のものが発見された。
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子殺しの発見
インドに生息するハヌマンラングールという猿は、雄が多数の雌からなる群れを維持する。雄は成長すると群れを離れ、やがて力をつけると、群れをもつ雄と戦う。群れの雄を倒すと、その群れの雌と交尾をすることができるようになる。ところがこの群れ雄交代の時に、新しい雄が、群れの雌が育てている子供を食い殺すことが観察された。 これはあまりにも衝撃的な行動であることから、当初は発見自体が疑問視されたが、同じようなハレム制を持つライオンでも、同様の行動が観察されたことと、社会生物学が受容されたことによってようやく認知されるにいたった。雄にとって、乗っ取った直後の群れにいるのは前の群れ雄の子であって血縁関係はない。しかも、子を育てている限りは雌は発情しないので繁殖できない。ハヌマンラングールにおいて雄が群れ雄の地位を維持できる期間は短いので、前の群れ雄の血を引く子供の独り立ちを気長に待つよりも、すみやかに子を殺し、雌の発情を促す行為の方が適応的である。レンカクのような生物ではメスも子殺しをする。